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福岡導水
【事業の経緯と目的】
福岡市を中心とする福岡都市圏では、昭和30年代 から40年代にかけて、都市機能の集積と進展、生活 水準の向上、産業の地域展開等に伴い水道用水の需 要は著しく増大してきました。 この地域は、水源を域内の中小河川と地下水に依 存し、乏しい水源を効率的に利用していましたが、 慢性的な水不足に悩まされてきました。 また、佐賀県基山町は、地理的に福岡都市圏のベッ ドタウンとして都市化が進み、同じく水道施設の整備が急務となっていました。 福岡導水事業は、このような水道用水の需要増加 に対処するものとして、筑後川水系水資源開発基本 計画(昭和 49 年 7 月閣議決定)に基づき、筑後川か ら福岡都市圏の8市12町(現在、9市7町)及び佐賀県基山町への水道用原水を供給することを目的としています。
本事業は江川ダム、寺内ダム、筑後大堰、合所ダム、 大山ダムから補給を受けつつ、筑後大堰の湛水区域 内(久留米市髙野地先の筑後川右岸)から取水し、途 中、佐賀県基山町で佐賀東部水道企業団基山浄水場 に分水して、福岡県大野城市の福岡地区水道企業団牛頸浄水場までの導水を行うもので、延長約24.7km の導水路及び山口調整池で導水の安定供給を図って います。 工事は、昭和49年8月1日に福岡導水調査所を発足後、昭和51年9月16日の建設所発足、同12月29 日導水路工事に着工し昭和58年4月26日に導水路 工事が完成、昭和 58 年 11 月 2 日に福岡地区の暫定 通水(基山町は昭和61年12月1日)を開始しました。 また、平成4年2月15日には、導水の安定供給を 目的として、福岡県筑紫野市山口に中央遮水ゾーン型ロックフィルタイプの調整池本体工事を着工し、 平成 8 年 3 月 12 日に本体盛立完成後、平成 11 年 3 月31日に総貯水量4,000千m3の山口調整池が完成 しました。 これにより、渇水時、導水路の事故時等にも安 定して水道用原水を供給することが可能となりました。
福岡導水施設は、昭和58年11月の暫定通水以降、 昭和61年の第1回変更で調整池、基山分水追加、平 成元年の第2回変更で合所ダム分追加、平成11年の 第3回変更により大山ダム分追加と開発水量等の変 更を経て、現在、筑後川から最大2.767m3/sの取水 が可能となっています。
これは、基山町全域と福岡都市圏 9 市 7 町の約 240 万人の水道水の 1/3 に相当し、通水開始以降 24時間365日導水を続け、この30年間で約17億5 千万m3に達しました。 このように、福岡導水により供給地域は、筑後川 から流域を越え、広域的かつ多様な水利用の恩恵を 受けています。
福岡導水の工事中の昭和53年に、福岡都市圏は大 渇水となり、福岡市では、最も厳しい時の給水時間は 1日5時間で、給水制限期間が287日も続きました。 また、この期間の給水車出動台数は、延べ13,400台 というものでした。
その後、平成6年には、昭和53年を上回る大渇水となりましたが、福岡導水により給水時間12時間、 給水車の出動台数0と混乱を大幅に軽減できました。
[基山調圧水槽]
水量の急激な変化による水撃作用防止の目的で設置される水圧調節用の水槽である。 負荷の遮断などの急激な使用水量の変化による水撃作用の発生を防止するため、圧力トンネルと水圧管との連結点に、水圧調整槽を設け、内部の水位の昇降によって水のエネルギーを吸収させる。
[基山排泥室]
排泥室とは管路のうち下越や末端などの部位に設ける設備で,管内にたまった沈泥などを排除するために設置する。管の洗浄のためには結構大量の水を一気に吐く必要があるので,捨て水の可能なクリークや大型排水溝などのある地点に設けます。
