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Tree of strange walnut Traditional Cache

Hidden : 12/5/2014
Difficulty:
1.5 out of 5
Terrain:
1.5 out of 5

Size: Size:   micro (micro)

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Geocache Description:

Tree of mysterious walnut that appeared in novel


 

 

井伏鱒二の「増富の渓谷」に登場する不思議なクルミの木です。

増富温泉を訪れた帰り道、行きには無かってであろう三人で抱えても抱えきれぬ程の幹のあるクルミの木に出会います。

しばらく歩くと、道の曲がり角でばったり二人の娘に出逢った。 二十と十八ぐらいの姉妹だろうと思われた。紺がすりの着物を着て手ぬぐいをかぶり、籠を背負っていた。 二人ともあまり美しかったので私たちは立ち止まった。

姉妹は黙って行き過ぎようとした。それは何か、尊いものが消えうせて行っているかのやうに思はれた。

  

咄嗟に何か言葉をかけようと、バス停までの道を尋ねた。娘は落ち着いて丁寧にバス亭を教え、去っていった。

私たちは娘の後姿が見えなくなるまで見送っていた。

「きれいだったなあ、美の神も妬むだらう」と、いつまでも二人で最大級の賛辞を送っていた。 しばらくその場を離れがたかった。

  

それから2年後、

ある会合で作家・村松梢風と雑談していた折、村松氏が20年前に増富温泉できれいな娘を見た、という話をはじめた。行きには見なかったが帰りに気がついたというクルミの巨木の話も同じである。

井伏鱒二は驚いた。

  

紺がすりの着物をきた姉妹らしき二人で、手ぬぐいであねさんかぶりをして、籠を背負っていた 。その風情といい容貌といい、まるで誰かの絵のようだった、と言うのである。

「いや、ちょっと待ってください」と寒気を覚えた。あまりにも自分の体験とそっくりである。

「バス停への道を尋ねましたか」

「いや、訪ねなかった、僕の行ったのは20年前だからバスなんか通ってなかった」

  

村松氏の体験は20年前の話だというのだ。

井伏鱒二が娘達に出会ったのは2年前だ。一体どう解釈したらいいのだろう。なにもかも申し合わせたようにみな一致している。

果たしてそれは同じ姉妹だったのか、それとも・・。

 

  

井伏鱒二はこの話を、石田君という大学を卒業したばかりの青年に話した。すると石田君も目を光らせて、自分も増富の渓谷に行くと言い出した。小説はそこで終わる。

 

キャッシュは井伏鱒二が出会ったっと思われるクルミの木の場所に設置してあります。現在は有志によりクルミの木が植えられています。

貴方はクルミの木を見つけることが出来るでしょうか?キャッシュにはペンが入っていません。またキャッシュは冬季閉鎖の場所に設置してあります。歩いても行けますが自己責任にてお願いします。

 

 

 

Additional Hints (No hints available.)